そーか

何気ないこと

『スローターハウス5 (ハヤカワ文庫 SF 302)』カート・ヴォネガット・ジュニア

過去から未来の記憶を並列に見ることができる主人公を通して、作者自身の戦争経験を描いている。原子爆弾という一つの強力な兵器がなくとも、通常兵器の圧倒的な物量が都市を更地にしてしまう。1人の力ではどうにもならない状況に対して、「そういうものだ」と割り切るしかない。そうせざるを得ない状況を、実体験でありながら、他人事のように淡々とした語り方で描くことで、凄惨さを際立たせている。

不規則に時代を漂流するように場面が切り替わるのは、過去の記憶がフラッシュバックする感覚に近く、それを主人公の超能力にしてしまう発想が面白い。

◽️ドレスデン爆撃

・1945年第二次世界大戦中に行われた空爆

・ドイツのドレスデンに向けて、イギリス空軍とアメリカ空軍が3900トンの爆弾を投下した。

・民間人の死者は公式には3万5千人とされている。

#読書メーター

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学生のうちにやっておくべきことは?

思い返してみると、社会人って結構楽しい、を教えてくれる大人に出会ったことがなかった。先日のアメトークという番組で、「仕事部屋持ってる芸人」という企画をやっていた。自宅の一角やマンションの一室を借りてオフィスとして利用していて、のレイアウトを紹介するという内容だ。好きな漫画や少年時代にハマったゲーム、フィギュアなギター等のコレクションといった各々の個性が出ている。社会人の楽しさってこういうところだよなと考えさせてくれる。働き始めると当然扱えるお金の量が増える。子供の頃に買えなかった漫画やゲームを買ってコレクションすると家にいる時間が充実する。僕は家にいるのがすごく楽しい。自信を持ってうちに来たら楽しいぞと言える。中、高、大学と進むに連れて自由度が増して人生が豊かになる。働き始めるともちろん制限はあるが、やれることは広くなる。大学生のときは、社会人になったらあとは死ぬだけくらいに考えていた。でも、車を持ったらどこにでも行けると思ったし,カメラを買ったら旅行が楽しくなったし、本や漫画をたくさん買ったら家に篭るのも楽しくなった。学生のときにしかできないことってたいしてなかったのかも知れない。

学生時代にやっておくべきことは何か?一般的には旅行が勧められがちだ。なぜなら時間がないと長期の移動は難しいから。でも、だからと言って無理に旅行することはない。僕が勧めるのは『島耕作』を全巻読むこと。(島耕作ではなく、刃牙美味しんぼ・魁男塾でも可)こんな無駄な時間の使い方は大人になったらしんどい。

電車内の周りの目が気になる

自分の中で結構衝撃だった学生時代の話がある。佐藤という電車の中でも普通に面白い話をしてくる友人がいる。日中の車内は人がまばらで酔っ払って騒がしい人や部活帰りの高校生の集団もいない。時間に余裕のある大学生が老人や専業主婦が主なのではないだろうか。自分は周りの視線が気になるタチで、静かな車内ではトーンを落として話すのだが、佐藤はあまり気にする素振りはない。全くない。佐藤は小太りでいつも色んなダイエット方法を試している。そんな彼が急に「なんで俺の胸こんなに大きんだろ」と言った。「太ってるからじゃない?」と返したら、身も蓋もない返事がウケたのか車内がざわつく。隣にいた女子大生の二人組は爆笑して、笑いを堪えていた。電車を降りてから「さっきのめっちゃ周りに笑われてたな」と言ったら、なんと佐藤はそのことに気がついていなかった。プロスポーツ選手並の集中力でも持っているのだろか。羨ましい生き方だと感心したのをふと思い出した。

ロピアが近所にできた

数ヶ月前に近所にロピアができた。現金しか使えない代わりにコストを抑えている分、安く買える。大容量品が多いのもあるだろう。毎週バナナ一房買う。割と買う人が多いのだろうか夕方に行くと大体バナナが売り切れている。他のスーパーのバナナに比べて安いだけではなく、サイズがかなり大きい。ちなみにバナナは一本ずつバラして冷蔵庫保管すると皮は黒くなっても、中身は白い状態を保つことができる。伊藤家の食卓で見たのを長年実践している。他の商品も大ぶりなものが多く、コストコに近い。パック寿司はネタがぷりぷりしていておいしい。パック寿司ってなんとなく買うの恥ずかしいのは僕だけだろうか。大好きなんだけど、うきうきになるのを見られるのがなんだか恥ずかしく、それを見られたくない気持ちから照れが出る。家で寿司を食べられる特別感も良い。色んなネタが詰まっているパックもいいが、ホタテx10個やマグロx10個みたいなパックも贅沢で良い。妻が不在で1人で食事をするときは中本の蒙古タンメンかパック寿司が定番だ。妻が辛いものが苦手なので、普段のラインナップではチケ鍋やキムチ、辛口カレーさえ並ばない。一方辛いもの大好きな僕はここぞとばかりに中本へ向かう。1ヶ月に1回でも別々に好みのものを食べるタイミングが合ってもいいかも知れない。僕は食にあまりこだわりはなく、毎日同じものを食べても平気な方だ。たまの外食で変わったものを食べられれば充分。妻はこだわりが強く、毎日違う食事をしたがる。お米と汁物、サラダ、プラスおかず2品。そのうち一つにはお肉が入っていること。サラダは生野菜。という中々な条件を毎日こなしている。僕が作るときは手を抜いて、一品プラスサラダにしている。自分の料理の味は好きだ。でも、人にご飯を作ってもらって知らない味を知るのも楽しい。食事に関しては村上春樹の小説の主人公みたいな丁寧な生活を心がけたい。

『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (ハヤカワ文庫 SF 464)』カート ヴォネガット ジュニア

ティーブンキングの『キャリー』みたいにキリスト教原理主義者を恐怖の対象として書く小説や映画はたまにあるけど、こちらは過剰な隣人愛を掘り下げている。登場人物の入れ替わりが激しく、内容が分かりづらい箇所が多かった。作品では親切を良い意味で扱っているが、程度を誤ると狂気的に見られてしまう逆転現象が面白さなのかなと思う。

 

本書が発行されたのは1960年だが、新自由主義の行く末について描かれているのは時代を先取りしているようで感心した。

#読書メーター

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絵のある生活

◻️サザエの作者

去年長谷川町子美術館に行った。毎年長谷川町子の誕生日に無料で入場できるのでそれに合わせていってきた。生前に集められた絵画のコレクションを見てて、家に絵を飾るのいいなぁとぼんやり考えていた。

◻️ドラえもんの浮世絵

Twitterでフォローしてる日本画家がいる。ある日ドラえもん葛飾北斎コラボの浮世絵に関するリツイートをしてて、一目惚れして買ってしまった。5万もした。すでにシリーズ化しており、他に5種類程出ていて、いづれも発売からすぐに完売しているそうだ。集めたい欲があるが何十万もかかるのでやめる。

 

旅行したときに絵を売っていたらのぞくようになった。ポストカードだと場所も取らずに安く済むので気軽に買える。リビングに飾っていて、気分で入れ替える。資産価値は無いが絵のある生活は結構気に入っている。

学生時代の友人と疎遠になる

元々連絡不精で小まめに自ら遊びに誘ったりするタイプではなかった。今まではFacebookTwitterでなんとなく繋がっていて、友人の投稿に対してやりとりしていく中で会う約束をしていた。そんな中Facebookはアカウントの乗っ取りに遭い、アカウントを削除した。再登録を考えたがめんどくさくなってそのまま辞めてしまった。更に、Twitterスマホの機種変更をした後、ログインし直そうとしたらパスワードを間違えまくって凍結した。これもめんどくさくなってそのまま放置。そんな訳で交流が絶たれてしまった。思い返せばまだスマホがなかった中学・高校時代の友人はメールアドレスとメーリスというメアドを使ったLINEグループみたいなサービスで繋がっていたのだが、メールアドレスを使わなくなっていった中で連絡手段が絶たれてしまった。

連絡手段がなくなる過程であがくことはできたのだが、それをしなかったのはそこまで友人を欲していなかったのだろう。僕はその時々で所属している学校や会社、趣味のコミュニティに没頭しがちで、従来からの縁を疎かにする傾向がある。こういうのもリセット癖と言うんだろうか。価値観の変化とか自分が成長している証と捉える場合もある。個人的には年齢を重ねるに連れて予定を合わせることが難しくなる。相手への気遣いと自分の予定を合わせる手間から誘うためのハードルがどんどん上がっていき、疎遠になっていくだけのことだと思っている。今は家族と一緒に過ごすことを優先させている(それが一番楽しい)が、定年退職して暇になる頃にまた会えたらいいな。